通称「もしドラ」、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』(岩崎夏海著、ダイヤモンド社)という本が、09年の発行以来200万部を突破し、今月からNHKでもアニメ放映、夏には実写版映画が公開されるということで、怒涛のごとくブームになっているのはご承知のことと思います。
しかし、人気の理由はさておくとして、「今日のブームは、ドラッカーのマネジメント論の、ある一面だけを注目しているようです」という指摘がありました。詳しくは以下に。
ドラッカーの著作と日本の経営
企業の社会的責任を指摘したが
資本主義社会において、企業や組織をいかに効率的に機能させるか、を研究するのが経営学です。それが、ビジネスを越えて着目されているのが現代です。では、ドラッカーの経営学をどう見たらいいのか。「今日のブームは、ドラッカーのマネジメント論の、ある一面だけを注目しているようです」というのは龍谷大学の夏目啓二教授(経営学)
顧客の創造
つまりー。
「ドラッカーは、企業の目的は利潤が動機ではなく、”顧客の創造”が目的だと説きます。彼のマネジメント論の出発点です。伝統的経営学は、利潤獲得のために企業があるというのが前提。ドラッカーはそれを否定した。そこが注目されるポイントであり、批判される点でもあります」
ドラッカーの実業界での人気は絶大、と指摘する夏目教授は、ブームの陰で見落とされている「視点」を語ります。
「ドラッカーは企業の社会的責任が重要である、とする論客。現在のブームでは、この視点が欠落しています。格差や非正規雇用の増大、環境などが問題になる今日、大切な観点です。経営者だけでなく、市民の側から企業の社会的責任を問い、現実の厳しさを直視し、この現実を変えていく視点がいま重要です」(しんぶん赤旗日曜版2011/03/13付『「もしドラ」人気を読む』より)
